みなさんも新聞やニュースなどで、統計という言葉を聞いたことがあるかと思います。
例えば政府や政党に対する支持率調査の結果などです。
これは一般的に、新聞社やテレビ局が独自に調査対象(性別や年齢など)や調査する人数を決め、電話や街頭アンケートなどにより調査した結果を発表しています。
ふだんあまり気にすることもないかと思いますが、その中で面白い統計結果がありましたので紹介します。みなさんも正解を考えてみて下さい。
問題 : 日本の食糧自給率は何%でしょうか。下記から選んでください。
1.約40% 2.約70%
私はテレビや新聞などでよく「日本の食料自給率は低いものだ」と聞いていました。
日本食であるはずの天ぷらそば、使われている食材のうち「えび・小麦などほとんどが輸入物で、国産の食材はごくわずかしか含まれていない」といった笑えない話を聞いたこともあります。
話が脱線しないうちにそろそろ先程の問題の正解を言います。答えはどちらも正しいというのが正解です。
「両方正解!?そんなはずない!」と思った方、よく分かります。私も正解を聞いた時に騙された気分でした。
ではなぜ二つの異なる数字が両方とも正解になるのでしょうか?
その答えは統計の計り方にあります。
1.の40%は日本全体に供給された食料に占める国産品のカロリーの割合で計算した統計であり、2.の70%は日本全体に供給された食料に占める国産品の価格の割合で計算した統計なのです。
一般的に野菜などあまり日持ちがしないものは、消費される近くで生産されるものが多くなります。しかも野菜はカロリーはそれほど高くありません。
逆に輸入される食材は日本で作る食材よりも安価であるがために輸入されるので、価格は必然的に安くなります。
また輸入される食材には肉や加工品など、比較的カロリーの高いものが多く含まれる傾向にあります。
以上のような理由で日本の食料自給率は、カロリーベースでは40%ですが、価格ベースでは70%にもなってしまうのです。
これは統計が調査する側の意図を、ある程度反映できることを物語っています。
実際に日本の食料自給率が70%ではなく、たった40%しかないとテレビなどで報道されれば、食材の輸入を抑えようとの声が高まり、日本の農業保護政策も訴えやすくなるのです。(良いか悪いかについては述べませんが…)
また統計は質問の仕方によっても、結果をある程度は導くことができます。
例えば日本国憲法改正について下記の質問をしたとします。
1.武力や戦争をはっきりと放棄している日本国憲法の改正に賛成ですか?
2.作成後60年程が経過し、現在の事象に対応できなくなりつつある日本国憲法の改正に賛成ですか?
どちらも日本国憲法の改正について質問をしているのですが、質問の仕方によっては印象が変わってきます。
これは少なからず結果に反映され、2.の質問の方が賛成が多くなる傾向にあります。
統計は調査する側の期待する結果が得られそうな質問をすることで、意図した結果となることもあり得るのです。
そんな統計が為替市場にも影響を与えています。
実際に取引を経験してみて、為替市場に影響を与えるのは統計がほとんどなのではと思えることも多々あります。
例えば失業率。日本の場合、就職活動をあきらめた人、あるいは何らかの理由で就職活動が出来なかった人(これらをディスカレッジド・ワーカーといいます)は失業者の中に含まれていません。
潜在的な失業率は統計よりもっと高いというのが定説です。
しかし市場ではこの日本の失業率が改善されれば円買い材料になり、悪化すれば円売り材料にもなり得ます。
失業率が改善したといっても、実際は就職をあきらめた人が増えただけなのかもしれません。(極論ですが…)
統計はある程度の判断材料にはなりますが、何を基準として計っているのかをよく理解しておかないと、数字の裏に隠された本質を見落とすことになるかもしれません。
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